子どもが小さいので万が一の保証が必要、家計は厳しくても必要な保険は確保しておきたい、老後の生活に役立つ保障がほしい、病気やけがで入院しても安心できる保障を、など生命保険に加入する目的はさまざまです。はじめに、加入時のチェックポイントを見てみましょう。
生命保険に加入するときのポイント
生命保険は、年金や健康保険などの公的保険や預貯金などによる保障では十分でない部分を補ったり、カバーできない部分を保障するために個人や団体で加入する保険です。厳しい経済情勢のなかで予定利率の引き下げが続き、家計を見直す一つとして生命保険の見直しも話題になっています。そのためには、まず保険加入の目的を点検することが必要となってきます。
生命保険に加入するときのチェックポイント
- 生命保険に加入することによって、あなたの目的は達成されますか。
- 生命保険に加入する以外の方法で、あなたの目的を達成することはできませんか。
- 生命保険に加入するにあたり、「不純な目的」が含まれていませんか。
- 保険の種類は目的に照らして合理的ですか。
- 保険金額は妥当な金額ですか。必要な保障から見て多すぎませんか。
- 保険料は妥当な金額ですか。家計から見て過度の負担ではありませんか。
- 保険金の受取人に問題はありませんか。
- 保険会社等保険加入によって利益を得る人以外の意見を聞いていますか。
必要な保障内容をはっきりさせ、必要な保障期間と保障額を考える
生命保険に加入する目的には、「夫が死亡したときの家族の生活保障」、「老後の生活保障」、「病気やけがなどによる医療費の保証」など、具体的なことがあげられるはずです。保険加入の目的がはっきりしていないと、必要以上の保険金を設定して多額の保険料を支払うことになったり、必要のない特約のためにむだな保険料を支払うことになったりします。
「必要な保障は何か」をはっきりさせ、目的を達成するために「必要な保障期間はいつまで、保障額はいくらか」ということを計算してみましょう。
公的保険や預貯金などとの役割分担をはっきりさせる
生命保険に加入する目的はさまざまですが、強制的に加入している公的保険で保障がカバーされることもあります。老後の保障として老齢年金があり、万が一の場合や障害を負った場合には遺族年金や障害年金があります。病気・けがなどで入院する場合、健康保険によって自己負担は3割に抑えられ、高額療養費について負担を軽減する仕組みもあります。
生命保険と比べ、公的保険や預貯金などの有利な点、不利な点を箇条書きにしてみると生命保険との役割分担を考えることに役立ちます。
必要な保障内容と関係ない加入目的は後悔のもと
「不純な目的」とは、たとえば「親戚の子が生保会社に就職してノルマだからと頼まれたから」、「外交員がかわいいから」、「税金が減るから」といった、必要な保障と関係ない目的のもとです。
保険の種類は保障の目的から決める
保険の種類は必要な保障内容から決めるべきです。節税のために保険加入する人がいますが、税金が減るのは結局、所得や財産が減るからであって、その分の税金は、保険会社や外交員が納めているのです。
必要のない保険金のために多額の保険料を払うのは考えもの
保険金は必要な保障額から決めるべきです。万が一のときなど、本当にその金額が必要かをよく考える必要があります。公的保険や預貯金など、生命保険以外から補填される金額分の保険金は必要ないものだといえます。
現在の生活を第一に考える
毎月支払う保険料が現在の家計から見て負担が大きく預金ができない、さらに消費者金融などから高利の借入れをせざるを得ないなどのことが予想されるのならば、保険料の金額を減らしましょう。現在の生活が第一です。
受取人により税金は変わる
生命保険の受取人を誰にするかによって、保険金加入にかかる税金は変わってきます。
家族とも相談して加入を決める必要がある
生保会社の外交員とだけ話して保険加入を決めるのはよくありません。家族や生保会社に詳しい第三者と相談してから保険の加入を決めましょう。