養老保険の解約返戻金は、定期保険や終身保険と比べてかなり高額です。これも貯蓄性に優れていることの一つです。一体、どのくらいの額なのでしょうか。
加入期間による返還率の推移をみてみましょう。
養老保険の返還率はかなり高い
養老保険の解約返戻金
「なるほどねえ。養老保険は長生きしなければいけないのね」とYさん。「そうなの。でも、美人薄命っていうから私たちには向かないわ」「そうね」「それから、養老保険は解約返戻金が結構いいみたいよ。ちょっと、これをみてよ」とNさん。
テーブルの上に出された彼女の手帳には、いろいろな図や表が書かれていました。
女性30歳で契約(2001年)、10年満期、満期保険金100万円、月払保険料7,837円(口座振替)
経過年数 | 払込保険料の総額 | 解約返戻金額 | 返戻率 |
1年後 | 94,044円 | 86,700円 | 92.2% |
3年後 | 282,132円 | 273,270円 | 96.9% |
5年後 | 470,220円 | 468,810円 | 99.7% |
7年後 | 658,308円 | 673,740円 | 102.3% |
9年後 | 846,396円 | 888,630円 | 105.0% |
10年後(満期時) | 940,440円 | 1,000,000円 | 106.3% |
※無配当(B社)
養老保険の保険料には、満期保険金の支払いのために積み立てておく部分があります。そのため、解約返戻金と払込保険料との差額は、定期保険と比べると小さく、経過年数に応じてほぼ同じペースで増加していきます。
使い道がいろいろの解約返戻金
解約返戻金が比較的高額であるということは、これを老後の資金や、緊急時の資金などとして幅広く利用することができるということになります。
活用例2 突然、収入が途絶えたときに、当座の費用に利用したい人
Aさん(48歳)は、業界中堅の家電メーカーA社に勤務。A社は、ここ数年来業績が芳しくなく、このたび突然、業界大手のB社の傘下入り。
社内で徹底したリストラが実施され、ほんのわずかな退職金を手に、Aさんも多数の同僚と共に長年勤めた職場に別れを告げることになりました。給料はゼロです。でも、住宅ローンはなくならないし、家族の生活もあります。「よし、がんばるぞ!」とAさん。このような突然の不幸に見舞われ、収入が途絶えたときに、解約返戻金が利用できます。
不況時に大活躍の解約返戻金
景気の後退局面では、多くの人が緊急事態に直面します。当然、解約返戻金の支払額・件数がそれ以前に比べて急増しています。