生命保険への加入は、世帯主の死亡保障が目的となることが多く、中高年向けの性格が高いものです。最近では医療保障でも、中高年向けの商品が相次いで発売されています。
特徴的な商品をみていきましょう。
無選択型の医療保険
無選択型の医療保険は、過去の病歴などで生命保険への加入が不可能となった人を対象にしたものです。”誰でも入れる”などの名称がついている医療保険がこのタイプです。
一般の医療保険と比べて、契約後90日間などの入院や手術のほか、契約前から発病していた疾病による入院や手術も保険金の給付対象にならないなど、給付条件が厳しくなっています。また、同内容の一般の医療保険と比べると、保険料も割高となっています。
保障内容の一部
年齢 | 男性 | 女性 | ||
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病気・ケガで入院 | 1日(1日目から)5,000円 | 30歳 | 3,669円 | 4,222円 |
病気・けがで手術 | 入院なし 1回2万5,000円 | 40歳 | 4,407円 | 4,201円 |
入院あり 1回5万円 | 50歳 | 5,394円 | 4,932円 | |
病気・ケガの入院後に通院 | 1日につき3,000円 | 60歳 | 7,097円 | 6,314円 |
※入院給付金日額:5,000円 保険期間・保険料払込期間:終身 口座振替月払
このタイプの医療保険は、多少割高でも、簡単に医療保険に入りたいという人向きの保険といえます。
引受基準緩和型(限定告知型)の医療保険
最近、生保、損保、JA共済、全労済が、相次いで引受基準緩和型の医療保険を発売しています。
このタイプの医療保険は、契約時に医師による診査がなく、通常の医療保険に比べて告知項目が数項目と少なくなっており、病気で通院中の人も契約できます。また、過去に治療歴のある病気による入院や手術も保険金の給付対象となりますが、契約後1年間は給付金額が半額になるなどの制限があります。
次の商品は、持病を持っている人でも、下記の告知4項目がすべて「いいえ」なら、契約が可能です。
1.最近3か月以内に、医師により入院・手術をすすめられたことがありますか。
2.過去2年以内に、病気やケガで入院をしたこと、または手術を受けたことがありますか。
3.過去5年以内に、ガン・悪性新生物(肉腫・白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫を含む)および上皮内ガンで入院または手術を受けたことがありますか。
4.現在、ガン・悪性新生物および上皮内ガン、慢性肝炎、肝硬変で、医師の診察・検査・治療・投薬を受けていますか。
この商品の保障内容と保険料は、次の通りです。
ケガ・病気で1日以上入院したとき | 1日につき10,000円 ・契約日から1年以内は5,000円 ・1入院60日限度、通算1,095日限度 |
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所定の手術をしたとき | 1回につき10万円 ・契約日から1年以内は5万円 |
※保険期間・保険料払込期間:終身、入院給付日額:10,000円
口座振替月払、男性・50歳
保険料月額8,550円
新たな活路?
生命保険各社は、中高年層に焦点を絞った新商品の開発に力を注いでいる感があります。背景には30歳代前後を対象としている従来の主力商品の頭打ち傾向があります。従来型保険でカバーしきれない中高年層向け商品を充実させることで、活路を切り開く狙いもあるのでしょう。今後よりいっそうの商品開発が期待されます。