けがや病気でも、数日程度の通院ならば不幸中の幸い。困るのは、ガン、脳血管疾患、心疾患などでも長期間の入院。30日などと入院が長引くと、入院費用もかさみ、収入も減ります。ここでは、入院費用について見てみましょう。
医療費のしくみ
ケガや病気の際、病気で治療を受け窓口に支払う金額は、医療費の総額ではなくその一部。医療費の大半は、健康保険や国民健康保険など医療保険が負担します。
・医療保険の対象外
差額ベッド、高度先進医療の技術料など
※本人が病院の窓口で支払う金額の総額
・医療保険の対象
各医療保険の負担
自己負担分
外来薬剤の一部負担
入院時の食事代の一部
※1 本人が病院の窓口で支払う金額の総額
※2 高額療養費 ひと月1人あたり一定額を超えた分が戻る
本人が負担するものは、①自己負担分、外来薬剤の一部負担、入院時の食事代の一部、②医療保険の対象とならない差額ベッド代など、③衣類、電話代などの雑費の総額です。なお、ひと月の自己負担分の合計額が一定額を超えた場合などに、その超えた額が戻ってくるという制度(高額療養費という)もあります。
これだけかかる入院費用
入院日数や入院費用は、病気やケガの種類、年齢などにより大きく異なってきます。一体、どの程度になるのか見てみることにしましょう。まず、病院の退院患者平均在院日数は全年齢階級の平均で34.3日、35~64歳は27.3日、65歳以上は44.8日となっています。
次に、入院時の自己負担費用の平均は20.6万円、自己負担費用の総額を入院日数で除した1日あたりの自己負担費用の平均は16,000円となっています。一方、疾病入院給付金日額の平均を見ると、男性で11,000円、女性で9,200円となっています。
土台は公的医療保険
医療保障の土台は、健康保険などの公的医療保険です。病気やケガで入院し、労務不能となり賃金支払がない場合、健康保険から一日につき標準報酬日額(最低1,930円、平均9,330円)の3分の2が支給されます。
生命保険契約者の73.5%は、入院時の治療費などは、公的医療保険でまかなおうと考えています(生命保険文化センター・2010粘土生活保障に関する調査)。