医療保障の主流は独立型の医療保険です。しかし、定期保険や終身保険などの主契約に医療関係の特約を付加するタイプもあります。既存契約には、このようなものが多数存在しています。
かつての契約内容を参考に、双方の違いについて見てみましょう。
特約型・独立型はどう違う
双方のポイントを比べると下の表のようになります。給付内容はおおむね独立型のほうに分があるようです。
特約型 | 独立型 | |
疾病入院給付金
災害入院給付金 |
継続して5日以上入院したときに ↓ 5日目から支払われる |
①疾病入院給付金 継続して8日以上入院したとき ②災害入院給付金 継続して5日以上入院したとき ↓ 初日分から支払われる |
保険期間の終了 | ①主契約の終了・80歳到達時 ②主契約が終身保険のときは、保険料払込期間満了時 ③主契約が払済保険・延長保険に変更したとき |
①定められた保険金の終了時 ②80歳到達時 |
「今の特約で十分!」と思われる方は独立型の医療保険は不要です。でも、「少し不足しているかな?」「死亡保障は万全だ!」と考えている人は、この独立型の医療保険を検討する価値があります。
また、家庭の主婦の医療保障については、夫の主契約に家族型の医療特約を付加してすますことが普通です。しかし、妻が入院したときの入院給付金は夫の6割。夫の死亡などにより保険金が支払われれば、主契約が消滅し、それと同時に特約も消滅してしまいます。
医療関係の特約は、主契約の保険料払込み満了後も80歳まで継続できます(終身保障に変更できるものもあります)。この際、特約保険料を一括前納(分割払いもあります)するため、一時的に高額の出費となります。
30歳男性、定期付終身保険(更新型)に加入していて、60歳払込み満了時に「疾病入院特約」と「災害入院特約」(入院日額5,000円)の医療保障を継続する場合 |
60歳から80歳までの一括前納保険料 約101万円 年払保険料 約5.6万円 60歳から終身保障の一括前納保険料 約157万円 年払保険料 約8.7万円 |
ぞくぞく登場する新型の医療特約
最近、新型の医療特約がぞくぞく登場しています。これらは、従来の特約でカバーできなかった部分を保障するという点では、いずれも画期的なもの。一方、保障分野が限定されているため、保険金の支払条件も厳しくなっています。
特約 | 保障分野 | 特徴 | |
3大疾病保障特約 | ガン、脳血管疾患、急性心筋梗塞を保障。 | ガン以外については、一定期間以上の就労不能等に該当しない場合、保険金が支払われない。 | 入 院 給 付 金 ・ 手 術 給 付 金 は な い |
疾病傷害特約 | 病名を問わず、病気により、一定の身体障害になった場合を保障。 | 軽度の障害では、保険金が支払われない。 | |
重度慢性疾患保障特約 | 高血圧症、糖尿病などの重度の慢性疾患を保障。 | ガンは対象外、慢性疾患でも一定の状態に該当しなければ保険金が支払われない。 |
上表以外にもいろいろありますが、このような特徴をよく理解した上で、上手に活用してください。
医療関係特約の基本
入院への備えなら、病気を選ばない入院医療特約や災害入院特約が基本。その上で、不足感があれば他を追加するというのが無難でしょう。