生命保険に加入するきっかけは保険のセールスレディに説得されてというのが大多数です。保険のセールスレディを保険外務員と呼びますが、どんな権限を持っているのか、どんな義務を負っているのか考えてみましょう。
保険外務員の仕事
保険外務員は保険会社に雇われたり、委託契約を結んだりして、保険会社のために保険への加入の勧誘をする仕事をしています。
保険外務員は、保険会社の使者として一般契約者に接していますが、当然保険会社を代理する権限はありません。
しかし、一般契約者は、保険外務員を即、保険会社と考えて保険に加入しているので、トラブルが生じる可能性がでてくるのです。
そこで「保険募集の取締に関する法律第16条」では、保険外務員の生命保険契約の締結または募集に関して行われやすい不公平な行為を禁じ、誠実に業務を遂行するために、禁止される行為をあげているほか、取締規定を定めています。
生命保険契約と保険外務員
CASE1
保険外務員から「解約するときは払い込んだ保険料を全額返還するので、ぜひ生命保険に加入してほしい」と進められたので、加入しました。ところが後で全額返還されるわけではないことを知りました。
CASE2
保険外務員から「生命保険に加入したらすぐに保険会社から融資を受けられる」といわれ、保険に加入しました。ところが加入した後に、すぐには融資を受けられないことを知りました。
↓
1.これは虚偽の説明をすることにあたり、法律上禁止されています。保険外務員は1年以上の懲役または100万円以下の罰金に処せられます。
2.保険外務員がこのような勧誘方法を用いた場合、詐欺にあたりますので、生命保険契約自体を取り消すことができると考えられます。
3.保険契約者に損害が生じた場合は、外務員に対する不法行為責任の追及、保険会社に対して損害賠償責任の追及という手段があります。
保険業法300条1項、317条の2・4号、民法第715条使用者責任
本文以外に禁止されている行為
勧誘している生命保険について重要な事項を省略したり、都合のよい部分だけを説明すること
契約者、被保険者に対して、保険会社に告知すべき事項について告知しないように勧めること
保険契約の締結に際し、金品そのほかの利益を提供することを約束したり、保険料の割引、割戻をするような行為
すでに成立している生命保険契約を不当に消滅させて、新契約の申し込みをさせる行為