現在、最も普及している生命保険の一つが、定期付終身保険です。そこで、この定期付終身保険について、多くの人が勘違いしやすいポイントを押さえておきましょう。定期付終身保険には、落とし穴がたくさんあります。
定期保険と終身保険を比べると
定期保険は、保険料がかなり安く、また高額な保障が可能ですが、保険期間が限られています。また、保障のみを目的としているので、解約返戻金や配当もきわめて少ないか、あるいはないものもたくさんあります。
これに対して終身保険は、保障は生涯続きますし、解約返戻金や配当の額も高いのですが、保険料も高額になっています。
定期保険 | 終身保険 | |
---|---|---|
保険期間 | 短期間 | 生涯 |
保険料 | 安い | 高い |
解約返戻金 | 少ない | 多い |
配当 | 少ない | 多い |
定期付終身保険の最大のメリットは、普通終身保険より安い保険料で、一定期間、高額(1億円のような)の保障が可能になることにあります。
定期付終身保険とは、終身保険に定期保険を上乗せしたものです。これにより、一見不可能と思えるような保障額であっても、かなり低額な保険料で保障が得られる点に、大きな特徴があります。
「ああ、勘違い」にならないために
引き続き、3人の歓談。「竹内さん。定期付終身保険はいろいろ注意しないといけないんだねぇ」「そうですねぇ。中谷さん」。
どうやら、定期付終身保険の注意すべきポイントについての会話のようです。3人が、絶対に忘れてはいけないこと、としてあげたものは次のことです。
○○倍という高倍率の保障は保険料払込期間の満了まで!
定期保険特約の保険期間は、全期型でも更新型でも、主契約の保険料払込期間の満了までがほとんど。そこで、定期付終身保険(1,000万円/100万円)10倍型の場合に、死亡保障1,000万円は保険料払込期間の満了まで。その後の死亡については、終身保険100万円だけです。
更新型では自動更新のたびに保険料がググッと上がる!
契約当初の保険料が安い更新型では、普通の定期保険と同様に自動更新があります。更新後の保険料はそのときの年齢で決まるので、更新ごとに保険料が急増。総額では、全期型のほうが安くなります。
○○倍という高倍率でも解約返戻金は○○倍にはならない!
「『10倍型』なら契約返戻金も10倍になるんだろう」と思っていたら大間違い。定期保険特約には解約返戻金は皆無。それを決めるのは主契約の金額だけ。逆に、高倍率だと見かけの返還率はたいへん低くなります。
定期付旬保険の10倍型とは?
定期付終身保険(1,000万円/100万円)10倍型の意味
1,000万円:主契約+定期保険特約の合計額:bそこで、定期保険特約の額=b-a
100万円 :主契約・終身保険の額:a
10倍型 :(b/a)