養老保険は貯蓄性に富んだ商品です。そのため、予定利率の引き下げ(引き上げ)は保険料の値上がり(値下がり)となってはね返ってきます。
2013年と2007年の改定では、どのくらいの影響となったのかをみてみましょう。
改定前後の保険料を比べると
高層ビルが林立する新宿副都心。ここは、その中の一つのビルの最上階のレストラン。昼時で店内はお客でいっぱい。窓際のテーブルには、OL2年目のYさん(23歳)とMさん(23歳)が、もうすぐ1時だというのにのんびりとコーヒーを飲んでいます。「養老保険の方がいいみたいよ」「でも、貯金の方がずいぶん気軽にできそうよ」と、話がはずんでいます。
2人は、昨年4月の同期入社。最近、「将来に備えて、お金を貯めよう!」ということで意気投合。いろいろと研究に余念がありません。
2013年の改定で、保険料が値上がりとなりましたが、貯蓄性の高い商品や保険期間の長い商品ほど値上がり率は大きく、一方、保障性の高い商品・保険期間の短い商品ほど値上がり率は小さくなりました。
養老保険の保険料は、2013年の改定の前後で次のようになりました。
加入年齢 | 改定前 | 改定後 | 増加率 | |
---|---|---|---|---|
男性 | 30歳 | 7,587円 | 7,650円 | 100.8% |
40歳 | 12,132円 | 12,222円 | 100.7% | |
50歳 | 25,476円 | 25,896円 | 101.6% | |
女性 | 30歳 | 7,470円 | 7,539円 | 100.9% |
40歳 | 11,946円 | 12,042円 | 100.8% | |
50歳 | 25,131円 | 25,572円 | 101.8% |
※保険期間60歳・60歳払込 保険金額300万円 口座振替月払
2007年度改定の影響はわずか
2007年度にも予定死亡率の変更に伴う保険料改定が実施されましたが、普通養老保険の保険料の変動は、わずかなものにとどまっていました。
改定後 | 改定前 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
保険期間/払込期間 | 保険期間/払込期間 | ||||||||
10年 | 15年 | 20年 | 30年 | 10年 | 15年 | 20年 | 30年 | ||
男性 | 25歳 | 8,423 | 5,482 | 4,063 | 2,581 | 8,463 | 5,521 | 4,101 | 2,618 |
35歳 | 8,445 | 5,515 | 4,108 | 2,658 | 8,489 | 5,557 | 4,151 | 2,706 | |
45歳 | 8,532 | 5,622 | 4,240 | 2,862 | 8,581 | 5,675 | 4,302 | 2,944 | |
55歳 | 8,735 | 5,872 | 4,563 | 3,394 | 8,842 | 5,993 | 4,699 | 3,578 | |
65歳 | 9,287 | 6,589 | 5,499 | ー | 9,467 | 6,811 | 5,780 | ー | |
女性 | 25歳 | 8,405 | 5,464 | 4,043 | 2,554 | 8,444 | 5,502 | 4,081 | 2,591 |
35歳 | 8,425 | 5,487 | 4,073 | 2,595 | 8,467 | 5,530 | 4,114 | 2,639 | |
45歳 | 8,471 | 5,543 | 4,135 | 2,684 | 8,519 | 5,591 | 4,186 | 2,748 | |
55歳 | 8,548 | 5,635 | 4,257 | 2,913 | 8,619 | 5,714 | 4,351 | 3,055 | |
65歳 | 8,761 | 5,925 | 4,665 | ー | 8,908 | 6,112 | 4,907 | ー |
※無配当普通養老保険・口座振替月払・保険金額100万円・I社
一方、一時払い養老保険は予定利率が引き上げられたため、普通養老保険よりも変動幅が大きくなっていました。
一時払い毎年配当タイプ養老保険の保険料例(契約年齢40歳、保険金額500万円)
性別 | 改定後1 | 改定前2 | 差額(1-2) | 比率(1÷2) | |
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6年満期 | 男性 | 486万5,050円 | 493万5,600円 | △70,550円 | 98.6% |
女性 | 486万4,550円 | 493万5,250円 | △70,700円 | 98.6% | |
10年満期 | 男性 | 464万450円 | 470万6,400円 | △65,950円 | 98.6% |
女性 | 463万8,600円 | 470万4,800円 | △66,200円 | 98.6% |
貯蓄性商品は利率変動の影響が大
1996~1997年、取扱期間の多くが予定利率を引き下げました。これに伴い、ほとんどの商品で保険料も上昇。とりわけ、養老保険や個人年金など貯蓄要素の強いものは、影響が甚大でした。この数年の間に、養老保険は、平均的なサラリーマンにはかなり利用し難くなりました。
期間 | 年払保険料 | 上昇率 | 賃金上昇率 |
---|---|---|---|
1990年~ | 19,578円 | ー2% | 5.3% |
1993年~ | 21,168円 | 8% | 2.1% |
1994年~ | 23,946円 | 13% | 2.6% |
1996年~ | 27,323円 | 14% | 1.5% |