生命保険契約が成立すると保険料の支払義務が発生しますが、保険料の払込方法にもいろいろあります。また、保険料の払込みには、猶予期間も設けられています。
保険料の払込方法と払込みの猶予期間について見てみましょう。
保険料の払込みにもいろいろある
保険料の払込みについては、①払込みの期間、②払込みの方法(回数)、③払込みの方法(経路)が問題となります。
保険料払込みの期間 | いろいろな払込方法(回数) | |||
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全 期 払 い |
保険期間の全期間にわたって、保険料を払い込む方法 | 月払い、半年払い、年払いのどの方法で払い込むかは保険契約者が選択できる(全期払い、短期払いの場合) | ||
払 込 方 法 |
一時払い | 保険期間中の全保険料を一時に払い込む方法(所定の割引あり) | ||
短 期 払 い |
保険期間より短い期間に保険料を払い込む方法 | 保険料の前納 | 払込期日の到来していない将来の保険料の一部または全部をまとめてあらかじめ支払うことができる |
保険料前納のメリット:
保険料を一定期間まとめて前納すると、保険料は保険会社所定の利率によって割り引かれます。お金に余裕があるのなら、2~3年分の保険料を前納すると、分割して支払う場合よりも保険料が少なくなりますので有利です。
払込みの経路についても、保険契約者は自由に選択できます。
払 込 方 法 |
自動口座振替 | 保険契約者の口座から自動的に保険会社の指定した金融機関等の口座に振り替える方法です |
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振替送金 | 保険会社の指定した金融機関などの口座に保険料を送金する方法です | |
持参払い | 保険会社に直接保険契約者が保険料を持参して支払う方法です | |
集金 | 保険会社の集金人に保険料を支払う方法です | |
団体払い | 保険契約者が所属する団体を通じて払い込む方法です この方法は所属団体と保険会社の間に、保険料の団体取扱契約が結ばれている場合に可能となります |
通常は自動振替による方法が行われています。保険契約者が勤務している会社が団体保険に加入していますと、会社からの給与引き落としという簡便な方法がとられることもあります。また、払込方法(回数)は通常は月払いですが、年払いが最も割引になります。
保険料払込みの猶予期間
保険料が、なんらかの理由で払込期日までに支払われなかった場合でも、直ちに保険契約の効力が失われるわけではありません。払込期日を経過した後でも一定期間の猶予期間を設け、この猶予期間内に保険料の払い込みがあれば、払込期日に支払われたものとみなして保険契約は有効に継続することになります。
払込猶予期間は保険料払込方法(回数)によって、下記のようになっています。ただし、保険約款によっては、払込方法による区別をしない場合もあります。
月払いの場合:払込期とされている月の翌月初日から末日まで
半年払い、年払い:払込期月の翌月初日から翌々月の月単位の契約応当日まで
○払込猶予期間中に被保険者が死亡した場合の取り扱い
猶予期間中に被保険者が死亡した場合、保険契約は猶予期間中であれば失効しませんので、保険金が支払われます。未払保険料は保険金額から差し引かれることになります。
○払込猶予期間が経過すると保険契約は失効する
猶予期間経過後も保険料の支払いがない場合は、生命保険契約は失効します。
解約返戻金を受け取るか、復活の手続きをとって有効な契約に戻すか、いずれかの方法を選択しなければなりません。
保険料のしくみー収支相等の原則ー
生命保険では、保険契約者全体が払い込む保険料総額と、保険会社が受取人全体に支払う保険金の総額とが相等しくなるように決められています。
これを収支相等の原則と呼んでいます。
保険料は1人当たりの死亡保険金と予定死亡率、予定利率、予定事業費率の3つの予定率に基づいて計算されています。