生命保険の見直しが話題になるなかで、従来は終身保険などの特約として付加されていた医療保障について、単独で加入できる医療保険がテレビCMなどでも見受けられます。一泊二日の入院で給付金が受け取れるタイプなど、比較のポイントを見てみましょう。
医療保険とは何か
医療保険は、病気やケガによって一定の日数以上入院した場合や所定の手術を受けた場合に、「入院給付金」や「手術給付金」として保険金が支払われる保険です。
医療保険には特約型と独立型の二つのタイプがあり、ともに病気やけがによる入院や手術に対する保障(給付金)などがある保険です。
特約型と独立型の医療保険の違いは、主契約として単独で加入できるかどうかということですが、そのほか一般的に、特約型よりも独立型医療保険のほうが保険料は高く、その分保障が厚いということがあげられます。特約型では病気やけがで入院する場合、5日目以降入院給付金が受け取れるものが一般的なのに対し、独立型の場合には1日目から入院給付金が受け取れる保険商品もあり、人気になっています。
また、特約型の場合には、主契約部分の保障が終了した時点で特約部分の保障がなくなるのが一般的です。そのためご主人の終身保険に特約型の医療保険を付加している場合、保険料払込期間満了時、または万が一ご主人が亡くなって死亡保険金を受け取るなどして主契約が終了した後は、特約とし付加されていた家族の医療保障などもなくなります。
独立型医療保険のタイプ
少子高齢化の進展により、夫婦二人またはひとりで老後の生活を送る場合も多くなっています。また、平均寿命が延びており、生きていくために必要な保障として独立型の医療保険が求められてきています。独立型の医療保険には、終身型、全期型、更新型の3つのタイプがあります。
・独立型医療保険の3つのタイプ
終身型医療保険 : 生涯にわたる医療保障を特徴とする医療保険。保険料は払込期間を通じて一定で、払込期間について「終身払い」のタイプと払込期間を限定した「有機払い」があります。
全期型医療保険 : 保障期間を10年満期とか80歳満期などと設定する医療保険で、保険料は払い込み期間を通じて一定です。
更新型医療保険 : 加入時の保険料を安くした医療保険で、更新するたびに保険料がアップします。90歳まで加入(更新)が可能な商品もあります。保険料は、保障期間中は一定となります。
医療保険の比較ポイント
最近の生命保険の主流は医療保険ともいえる状況。各社の工夫を凝らした商品があふれています。
医療保険の選び方のポイントをさぐってみましょう。
1 保険料の金額 : 保険料は、ほかの条件が同じなら、死亡保障や解約返戻金、配当のないタイプの保険料が安くなります。
2 入院給付金の対象在院日数 : 入院給付金の対象となる在院日数は、次第に短期となり、現在の主流は、1泊2日以上です。さらに、日帰り入院すら対象としているものもあります。
3 入院給付金の支払限度 : 入院給付金の支払限度日数には、1回の入院についての支払限度日数と、通算しての支払限度日数とがあります。選択式(1入院120日・通算700日または1入院240日・通算1000日など)となっているものもあります。
1入院の支払限度日数 | 通算の支払限度日数 |
60日、120日、180日、360日、730日、1000日、1095日など | 700日、730日、1000日、1095日など |
このほかにも、医療保険には保障の部位を制限しているもの、入院しなかったときに祝金(ボーナス)が支給されるものなどいろいろです。必ず、お気に入りのものが見つかるでしょう。