日本人の死因は、ガン、心臓病、脳卒中が約6割を占めています。年齢を加えるにしたがってその割合は増えていきます。ここでは、3大成人病保障保険に代表される特定疾病保障保険について、比較するポイントを見ていきましょう。
3大成人病保障保険とは何か
いわゆる3大成人病保障保険は、ガン、脳血管疾患(脳卒中)、心臓病(急性心筋梗塞)の治療費を保障する目的の特定疾病保障保険で、被保険者が3大成人病にかかって所定の状態になった場合、死亡時と同額の特定疾病保険金が一括して支払われます。
生きているうちに保険金が支払われるため、治療費としてだけでなく家計を助ける費用として使うこともできます。
3大成人病保障保険には、保障期間に応じて終身型と定期型の2つのタイプがあります。
終身型は終身保険タイプで、一生涯にわたって保障されます。定期型は定期保険タイプで、最長80歳という一定期間の保障が受けられます。また、3大成人病にかからなかったため生きているうちに保険金を受け取っていない場合には、保険期間中に3大成人病以外で亡くなっても死亡保険金が支払われます。死亡に備える保険ではなく、生きるための保険として注目されてきています。
最近では3大疾病保障特約が登場していますので、医療保障を厚くしたい場合に付加するとよいでしょう。
また、保険料は定期保険や終身保険よりも割高になっていますので、保障期間を更新する定期型より終身型に加入するほうが保険料の支払総額を低く抑えることが可能です。成人病にかかる確率が高くなる年代の保険料はかなりの負担になると考えられるからです。
3大成人病保障保険の比較ポイント
3大成人病保障保険の加入を考える場合、以下の点を検討する必要があります。
①3大成人病保障保険は死亡保障や医療保障の整っている人が、さらに保障を厚くするときに向いている保険といえます。
②定期保険や終身保険に比べて保険料が割高なので、医療保険(特約)に成人病特約を付加するほうが保険料を安くすることができます。
③定期型より終身型のほうが、とくに60代以降の保障が必要な年代になったときの保険料を低く抑えることができます。
④保障分野が限定されているため、保険金の支払条件が厳しくなっています。
・3大成人病保障保険の保険金支払い条件
3大成人病保障保険の保険金支払条件は、以下の例のようになっています。
①ガンの場合、保険加入後に初めてガンにかかったことを医師によって診断されることが前提になります。また、ガンの種類や程度によっては保険の対象外となることもあります。
②急性心筋梗塞の場合には、医師の診断を受けた初診日から60日経過した時点で「引き続き労働の制限が必要」と医師によって診断されたときに、保険金が支払われます。
③脳卒中の場合も、医師の診断を受けた初診日から60日経過した時点で言語障害や麻痺などの神経学的後遺症があると医師にとって診断されたときに、保険金が支払われます。
介護保障保険の優先順位は高くない
介護保障保険は、介護保険制度による公的保障を補完する保険で、保険会社による所定の要介護状態になり、その状態が一定期間以上継続したと医師により診断されたときに介護一時金や年金などの保険金が受け取れるものです。
介護保障保険は、単身者などで家族の介護が期待できないときなどに加入しましょう。