金銭面からみると、将来のリスクに備える手段として、「保険」と「預金」があります。
預金と保険とはどう違うのでしょうか。保険と預金の性格の違いを理解して、合理的な将来設計を立てましょう。
預金と生命保険との違い
預金と生命保険の特徴
生命保険は契約のその日から、死亡などの場合に、保険金の金額が支払われますが、預金の場合は必要額に達するまでには時間がかかります。
いつ起こるかわからないリスクには生命保険、期日のわかるリスクには預金がよいでしょう。
長期と短期
預金の期間は、満期の定めがなく、いつでもおろせる普通預金や貯蓄預金、1か月や1年満期の定期預金など、比較的短期のものが多く、これに対し生命保険は、10年満期や終身(死ぬまで)など長期のものが多いといえます。また、誤った決断をすると、誤った状況が長期にわたって継続することになります。
解約の損得
預金を解約した場合には、元本+預金の利息が戻りますが、生命保険の場合には、まったく戻ってこない場合(掛け捨て)や、一部しか戻ってこない場合(契約してから日が浅い場合など)があります。
これは、生命保険では契約から解約までの間、もし死亡した場合に保険金を受け取ることができるというサービスを受けていたわけで、このサービスに対する代価の分が戻ってこないといえます。解約を考えた場合、生命保険に加入するときは預金をするとき以上に慎重になる必要があります。
目的以外に備えられるか
預金は満期になれば元本と利息の合計額が自由に使えますし、途中で解約しても元本+預金の利息を自由に使うことができます。生命保険の場合には、保険金がおりるのは契約で定めた場合だけなので、当初の目的以外には使いづらいといえます。
たとえば、預金なら住宅取得にも老後の生活費にも使えます。しかし、死亡に備える生命保険を途中で住宅取得のために使うことは難しいでしょう。
利息と保険金
預金者には必ず全員に利息が付きますが、保険金は全員が受け取るわけではありません。その分、万が一の場合の一人当たりの保険金受取額は多いのです。
税金
預金は原則として利息の20%が税金となります。保険にかかる税金はさまざまです。「生命保険と税金」を参照してください。
一時的な資金の借り入れ
預金は総合口座、生命保険は契約者貸付金により一時的な資金の借り入れができます。ただし、預金の総合口座のほうが利率は低く、また銀行の店舗が多いことから借りやすいということがいえます。
預金と保険の中間
生命保険でも、養老保険や財形保険など、貯蓄性のある保険もあります。
預金と生命保険のバランス
預金がよいか、生命保険がよいかではなく、要は両者のバランスです。また、人それぞれがおかれている状況によってもかなり違います。リスク分析表を作成しながら、将来を予想(自分、家族、世の中)して自分に適した預金と保険をい考えましょう。